
排気量250cc以下のバイクは車検が必要ありません。
車検って高額なイメージがあるので、特に初めてバイクを買う人は、車検がない=維持費が安いと安易に考えがちです。
でも車検がない250ccバイクは本当にお金はかからないのでしょうか。
車検がないって理由だけで250cc以下のバイクを買おうとしている人、ちょっと待って。
決めるのはこの記事読んでからにしましょう。
目次
「車検がない=点検しなくていい」ではない

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250ccを超えるバイクは車検がありますから、2年に1回(新車の初回車検は3年目)は嫌でもバイクの点検をすることになります。無車検の車両を運転すれば罰金+一発免停です。
でも、250ccバイクは車検がありません。
とは言っても排気量が違うだけで250ccもバイクです。
当然走っていれば消耗品は磨耗しますし、部品の緩みや不具合も出てきます。
乗る頻度が低くてもゴム部品などは経年劣化が進みます。
250ccには車検はありませんが、法定12ヶ月点検をすることは義務付けられています。
これは、必ずしもバイクショップ等でしてもらう必要はなく、自分でやったのでもいいのですが、1年に1回くらいはプロの目で点検をしてもらうべきです。
それには当然費用がかかってきます。
安全にバイクに乗るためには、車検がなくても定期的な点検は欠かせないのです。
「車検を受けなくてもいい」ではなく、「自分で点検をしなければならない」と解釈する のが正解です。
そもそも車検の費用はいくらくらいなのか

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バイクの車検の法定費用は次のとおりです。
- 自賠責保険 13,640円(24ヶ月契約)
- 自動車重量税 3,800円(新車登録後13年未満、1年あたり1,900円)
- 印紙代 1,700円
【合計】19,140円
どうです?意外と安くないですか?
車検で絶対に必要な費用は2万円に満たないのです。
ここに、バイクショップへの車検代行費用や点検手数料、交換部品の部品代、工賃などが加算されていきますが、250ccも1年に1回バイクショップへ点検を依頼するとすれば、車検の有無でバイクの維持費に大きな差はないのです。
250ccと400ccの維持費に大きな差はない

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ここで、250ccと400ccのバイクの維持費を試算してみます。
条件は次のとおりとします。
- 新車で購入後3年間の維持費を試算
- 12ヶ月、24ヶ月法定点検を受ける
- 点検費用は、記事執筆時点のレッドバロンの国産車のものを適用
250cc
- 軽自動車税 10,800円(年3,600円×3年)
- 自動車重量税 4,900円(新車登録時のみ)
- 自賠責保険 15,720円(36ヶ月契約)
- 12ヶ月法定点検 16,620円(8,310円×2回)
- 24ヶ月法定点検 10,470円
【合計】58,510円
400cc
- 軽自動車税 18,000円(年6,000円×3年)
- 自動車重量税 5,700円(年1,900円×3年)
- 自賠責保険 14,690円(36ヶ月契約)
- 12ヶ月法定点検 9,500円
- 24ヶ月法定点検 11,790円
- 車検 11,790円
- 印紙 1,700円
【合計】73,170円
どうですか?14,660円の差です。
ほとんどが車検費用じゃなくて税金の差ね。
3年でこの差ですから、1ヶ月あたり407円、1日あたり14円の差しかありませんよ。
誤差と言ってもいいレベル。
バイクは任意保険も車のように車種による値段の差がないですから、400ccまでならどのバイクに乗っても維持費は大差ないのです。
別途、オイルやブレーキなどの消耗品交換費用やガソリン代が必要にはなりますが、これらは使用状況や走行距離に大きく左右されますのでここでは考慮していません。
車検の有無を考慮する必要はない
先ほどの試算で250ccと400ccで維持費に大した差がないのがお分かりいただけたと思います。
維持費に差が出るのはむしろ消耗品の方です。
特にタイヤは車重が重いほど消耗も早いですし、タイヤサイズによって値段も変わります。
とは言っても、休日のツーリング程度の使用なら250ccと400ccでは大きな差はありません。
大型バイクになると話は別ですけど。
車検がないというだけでバイクの選択肢を250cc以下に限定してしまうのはナンセンス。
普通自動二輪の免許しか持っていなくても400ccまでは運転できるのですから、より多くの選択肢からバイクを選ぶべきです。
バイクを選ぶ基準は自分がバイクに何を求めるかです。車検の有無じゃない。
例えば1日に何百キロも走るようなツーリングを頻繁にする方は、車格が大きくてエンジンの回転数を落として走れるような排気量の大きいバイクを選ぶと快適にツーリングを楽しめます。
また、腕力に自信がない方ならば、車体が軽い250ccクラスのバイクを選べば取り回しが楽になりますし、もしバイクを倒してしまっても比較的楽に起こすことができます。
自分の技量や使い方、見た目の好みでより多くの選択肢からバイクを選びましょうよ。
車検の有無で乗るバイクの選択肢を狭めてしまうのはもったいないですよ。